こんにちは、カリフォルニアVRスタートアップ「イマース(immerse)」が運営する英語学習メディア「イマースラボ」で英語を研究している「ITSUKI」です。
皆さんは海外で敬語が必要なシーンに遭遇した時、
「英語で敬語を表現するにはどうしたらいいの?」
「ていうかそもそも英語に敬語はあるの?」
と疑問に思ったことはないでしょうか?
今回はそんな英語の敬語表現を、表現の基本から紹介していきます!
目次
敬語を表す助動詞の違い、わかりますか?
突然ですが、皆さんに問題です!
【問題】初対面の方に、駅への道を教えて頂けますか?と聞きたい時、どちらがより適切でしょうか?
a. Would you please tell me how to get to the station?
b. Could you please tell me how to get to the station?
なんです!(詳しくは、「Could, WouldとCan, Mayの使い分けは?」を見てください!)
日本語には敬語の中に、動作主に応じて尊敬語、謙譲語、丁寧語というものがあります。
対して、英語には「敬意」を表現する事だけが目的の単語はありません。
しかし、英語にも、相手への敬意や配慮を含めた謙遜の文は作ることができ、さらには頻繁に使われているのです!
時には、お店などカジュアルなシーンで敬語的な用法を使わないと無愛想な印象を与えてしまう事もあるのです!
【基本方針】“遠回し”が英語での敬語表現のキモ!
そもそも、敬意を表す英語というのはどのように作られていくのでしょうか?
キモは、伝えたいことをなるべく間接的にするために「遠回し」な表現を作ることにあります!
例えば、
I was wondering if you could turn down the volume?「音量を下げることができたかどうか疑問に思っていました。」
この文では、本来ならば、Can you turn down the volume? と言う文に対して、
-
couldを使う事により「音量を下げることが可能だったか」と”過去”を軸として文に現在とのキョリを持たせる。
-
wasを使う事により「思っていました」と”過去” を軸として文に現在とのキョリを持たせ、話す前に考慮を積み重ねてきたと言うニュアンスを含める。
-
was wondering ifを使う事により「下げて欲しい」と言う”要望”を、「かどうか疑問に思っていました」と言う自分の中に生じる”疑問”に置き換えることによって直接的な要望からキョリを持たせる。
と言う3つの要点によって、可能な限り伝えたいことを遠回しな表現にしているのです!
日本語では、「音量を下げて頂けますか?」と言うように、「頂く」と言う謙譲語だけで敬意が表される一方、英語はなるべく遠回しで相手を気遣った表現が敬語に当たるのです。
また、英語での敬語のレベルは遠回しの度合いと比例していて、回りくどく感じる文ほど、相手への印象を気遣うような文章になります。
敬語の程度を10段階に分けると、次のようになります。
段落
①Give me some examples.
(例を教えてよ)
②Please give me some examples.
(例を教えてくださいよ)
③Will you give me some examples?
(例を教えてくれるよね)
④Can you give me some examples?
(例を教えてくれますか)
⑤Would you give me some examples?
(少々例を教えていただけますか)
⑥Could you give me some examples?
(少々例を教えていただけますでしょうか)
⑦Could you possibly give me some examples?
(できましたら、少々例を教えていただけますでしょうか)
⑧I wonder if you could give me some examples.
(少々例を教えていただけたらと思うのですが)
⑨I was wondering if you could give me some examples.
(少々例を教えていただけたらありがたく存じますが)
⑩Would you mind giving me some examples?
(少々例を教えてくださいとお願いしてもお気を悪くされないでしょうか)
【基礎】過去形の助動詞で敬語表現
先ほどの例のように、敬意を持った英語を作る際には過去形の助動詞は敬語表現の軸となります!
しかし、敬語における助動詞の持つニュアンスの違いは大丈夫でしょうか?
まずは、各助動詞の基本的なイメージと、伝えたいニュアンスに伴うそれぞれの使い分け例を簡単に確認しましょう!
1. Could, Would, Mayの役割は?
それでは、先ほどの文のように敬意を持った英語を作る際の基本となる、過去形の助動詞たちの役割をそのイメージとともに紹介していきます!
- Could
Couldは助動詞canの過去形であり、能力的な可能性、許可、潜在的な可能性(依頼)の3つの用法を持っています。
敬語的表現で用いる場合には、基本的に潜在的な可能性(依頼)を用いており、現在の事に対しても使います。
コアイメージは「現実から一歩退いた実現可能性」
イメージを元に訳すと、「もし、あなたに頼んだら、〜をすることは可能でしたでしょうか?」になります。
「少し、例を教えて頂けますか?」
このように、実際に相手ができることかどうかを念頭に使われます。
- Would
Would は助動詞willの過去形であり、意思、推量、未来の3つの用法を持っています。
敬語的表現で用いる場合には、基本的に意思を用いており、現在の事に対しても使います。
コアイメージは「現実から一歩退いた意思」になります。
動作主が自分以外の場合、イメージを元に訳すと「もし、あなただったら、〜して頂けていましたでしょうか?」になります。
「窓を開けてもよろしかったでしょうか?」
このように、実際に相手に行う意思があるかどうかを念頭に使われます。
イメージを元に訳すと「あえて言うと、私だったら〜と言います(思います)」という感じです。
- May
May には許可、推量の用法があります。敬語的表現では、許可を表します。
コアイメージは「上から下への許可」、イメージを元に訳すと「〜してもよかったでしょうか?」になります。
相手が動作主であるCould, Wouldは日本語で言う尊敬語に当たりますが、自分が動作主であるMayは謙譲語に当たると言えるでしょう。
2. Could, WouldとCan, May の使い分けは?
役割とイメージは理解できたと思うのですが、実際にどのシーンでどのように使い分けられるのでしょうか?
- WouldとCould
まず、前節で説明した通り、Wouldは意思、Couldは能力を表しますね。
通常、相手に要望を伝える時、まず「相手が可能であるかか」、そして「その意思があるか」の順番で聞きます。
冒頭のクイズに関しては、「初対面の方に」とあるので、
b. の「相手が教えることができるかどうか」を聞く方がより適切になります!
- CanとMay
では同じ許可を求めるCan I とMay Iではどう使い分ければいいのでしょうか?
May I はCan Iを使うよりも、より、へりくだりに近い表現になります。
なので、フォーマルな、レストラン、食事の席、店員さんといったシーンではMay Iが多くつかわれます。
【発展】副詞を使って表現を豊かに!
上で紹介した過去形の助動詞に、敬語的表現を持つ副詞をたすことによってより豊かで丁寧な英語を作ることができます!
それでは、そのような副詞たちを見ていきましょう!
- Please
意味; お願い致します
相手に何かを求める時には、命令文の初めにPleaseをつけても命令文である事に変わりはないので、Could, Wouldの文中に用いる方が敬語表現には適しています。
Could you please give me more of information about it?「それについての情報をもう少し頂けますか?」
Can I get this one, please?「これを一つ頂けますか?」
Yes, please.「はい、お願い致します」
- Possibly
意味;可能でしたら
Could you possibly pass me the documents?「可能でしたらその書類を渡して頂けますか?」
可能でしたら、その書類を渡してもらえませんか?
- Unfortunately
意味; 残念ながら
Unfortunately we are not able to do that.「残念ながら、私たちにはできないようです。」
お店などで、店員さんに品物を尋ねるとこのように相手に寄り添った表現をする方も多いです。しかし、unfortunatelyは疑問文では使わないです。
- Fortunately
意味; 幸運にも
Fortunately I had made a copy of the documents.「幸運にも、その書類のコピーを取っていましたよ。」
- Preferably
意味; できれば
I need this report finished quickly – preferably by the end of the day.「私はこのレポートを早く終らせて欲しいと思っています。出来れば今日中に終らせて欲しいです。」
- Ideally
意味; 願わくば
Ideally I would like to have this done by this week.「願わくば今週中には、これを終わらせて頂けますか?」
【応用】要望から提案、疑問、期望、許可へ!
以上で述べたことに加えて、相手に何かを伝えたいときに、直接的な要望を、婉曲的な疑問や提案、期望、許可のニュアンスを含むフレーズを付けることによって、より間接的で相手を気遣った文を作ることができます!
またこれらのフレーズは、話す前に考慮を積み重ねてきた結果だと言うニュアンスも含むこともできます。
- I was wondering if ~
意味;〜かと思いますが
I was wondering if you could close the door?「ドアを閉めて頂けたらと思います。」
- I’m terribly sorry, but ~
意味;とても申し訳ないのですが〜
I’m terribly sorry, but you can not use the copy machine.「とても申し訳ないのですが、そのコピーマシンは使えません。」
- I hope that ~
意味; 〜を願っています。
I hope that you will do well on the project.「あなたがそのプロジェクトで成功するように願っています。」
- I’m afraid that ~
意味;申し上げにくいのですが〜
I’m afraid that I can not do that.「申し訳にくいのですが、私にはそれはできないようです。」
- It seems to me ~
意味;私には〜のように思われるのですが
It seems to me that he would not be able to do that.「私には、彼には出来ないように思えるのですが。」
- If it’s possible ~
意味;可能でしたら
If it’s possible, could you do this for me?「可能でしたら、これをやって頂けますか?」
日常、ビジネスで使える一言敬語
さらに、日常、ビジネスでとっさに使える敬語集です!
- Mr. ~
男性に対して使う敬称です。
- Ms. ~
女性に対して使う敬称です。
- Mrs. ~
既婚女性に対して使う敬称です。
- Sir
名前のわからない男性に対しての敬称です。
バスの運転手等に話しかける時にも使われます。
- Ma’am
名前のわからない40台以上の女性に対しての敬称です。
- I appreciate it
直訳では「正当に評価します。」、意味的には「とても感謝をしています。」となります。
- My apologies
直訳では「私の謝罪(達を受け取ってください)」、意味的には「申し訳ございません。」となります。
必ず、apologiesと複数形を用います。
- Excuse me(us)
意味は「すみません。」または「失礼いたします。」です。
まとめ
英語での敬語表現というのは、英学習における発展レベルに位置すると思うのですが、上下関係や相手との距離感が関係する敬語の使い方は学びにくいように思います。
こういったシチュエーションの会話は日本語でも数をこなしていって経験と知識によって使えるようになっていくものなので、それを他の言語でするとなるとやはりなかなか難しいですよね。
実際にその距離感や上下関係のシチュエーションの中での英会話を学んでみないとイメージが湧かない、いざ使おうとなる前に練習をして自信をつけておきたいという方もいるかもしれません。
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